2025年03月25日
Lively合同会社が「1% for the Planet」を通じてプロボノ支援を実施する一般社団法人Earth Company(以下、Earth Company)が、2025年3月25日にアジア3カ国(日本・インドネシア・シンガポール)を対象とした、気候変動に対する意識と行動に関する調査レポートを公開しました。Livelyは本レポートのサステナビリティ意識調査のデータ分析・報告書作成をご支援いたしました。
近年、気候変動の影響を実感する機会が大幅に増加しており、私たち一人ひとりの気候変動への向き合い方があらためて問われていると感じられます。こうした状況の中、Earth Companyでは、行動(Do)の水面下にあるマインドセット・意識・あり方(Be)に着目し、気候変動に関する企業向け研修などの活動を長年続けられてきました。
本調査は、Earth Companyが上記の活動を通じて得た、「世界と自分とのつながりを実感すること」が気候変動に対して行動を起こす上で重要であるとの考え方に基づき、気候変動に対する意識と行動の現状把握を目的として実施されました。具体的には、アジア3カ国(日本・インドネシア・シンガポール)の企業で働く人々を対象としたインターネット調査を通じて、気候変動に対する意識と行動、それらの相関関係を明らかにしました。
・対象:日本・インドネシア・シンガポールの企業に勤める20~60代の男女(一般社員・管理職・経営者)
・方法:インターネット調査(匿名形式)
・実施時期:2024年12月
・サンプル数:合計713名(日本300名、インドネシア266名、シンガポール147名)
・気候変動に対する行動の実施割合は、3カ国の中で日本が最も低い。
・気候変動に対する意識と行動には相関関係が見られる。
・年代による行動の差は大きくはない。
・子どもや孫のいる社会人は、意識・行動ともに高い傾向がある。
調査レポートはこちらからご覧ください。
*「1% for the Planet」とは、地球と未来の世代が繁栄することを目的としたグローバルな組織です。2002年にパタゴニアの創設者イヴォン・シュイナードとブルーリボンフライズの創設者クレイグ・マシューズによって設立され、ビジネスが年間売上高の1%を環境保護団体に寄付することを奨励しています。メンバーは、信頼できる環境パートナーを支援し、寄付を通じて地球環境へ実質的な影響を与えることができます。現在、1% for the Planetのネットワークには数千のビジネスと5,000以上の環境パートナーが参加しており、世界中で環境保護活動を推進しています。
近年、気候変動の深刻化に加え、社会の分断や格差の拡大など、私たちを取り巻く環境はますます複雑化し、人々の心の余白も失われつつあります。こうした時代において、私たちは「行動(Do)」だけでなく、その根底にある「意識・あり方(Be)」に目を向けることの重要性を強く感じています。
今回の調査では、日本における気候変動への行動がアジアの他国に比べて低いという現実が明らかになりました。しかし同時に、無関心や無責任、無力感を克服することで、人は自然と行動を起こすようになるという希望の兆しも見えてきました。
Livelyのお力添えで、調査結果は公開から多くの反響をいただいています。この結果を踏まえ、Earth Companyは今後も「他人事」から「自分事」への意識のシフトを後押しする取り組みを強化していきます。
本調査では、アジアの他の国々と比較して、日本人は気候変動に対して行動を起こす割合が低いこと、そしてその要因のひとつとして、日本人の気候変動に対する意識(影響の実感、関心、自己効力感、責任感)が相対的に低いことが示されています。これまでも日本における消費者の行動変容の難しさは指摘されてきましたが、本レポートは、Earth Companyが大切にされている “Be” の視点からその実態を明らかにした、初めての調査であり、多くの方にご覧いただきたい内容だと感じています。
Livelyは創業以前からプロボノという形で関わらせていただいており、今回もこのような意義深く画期的な調査プロジェクトに参加できたことを、大変光栄に思っております。今後も引き続き、継続的なご支援をさせていただきたいと考えております。