Lively

アニマルウェルフェアに関する統合的経営支援サービス開始のお知らせ

2025年12月04日

Lively合同会社は、企業のアニマルウェルフェア(動物福祉)対応を「経営」と「実務」の両面から支援するコンサルティングサービスを2025年12月より正式に開始したことをお知らせいたします。

本サービスは、Livelyが主体とし、東京農工大学大学院農学研究院・新村毅教授および一般社団法人アニマルウェルフェア・コーポレート・パートナーズ・ジャパン (通称:AWCP、本社:東京都練馬区、代表理事:上原(カバリア)まほ)とのご協力のもと、日本およびグローバルな畜産業界において「経済」「科学」「社会」の三位一体的なアニマルウェルフェア推進のベースを形成した経営支援を提供いたします。

背景・目的

アニマルウェルフェアは、欧米を中心に環境・人権と並ぶESGの重要テーマとして注目が高まっています。食品・畜産や動物プロテインを取り扱うセクターでは、CSRD(企業サステナビリティ報告指令)や ESRS(欧州サステナビリティ報告基準)により、バリューチェーン全体での動物福祉に関する影響や対応状況の開示が求められつつあります。

欧州では、Business Benchmark on Farm Animal Welfare(BBFAW)や FAIRR Initiative など、企業・アカデミア・非営利組織が協働して基準整備と社会実装を進める枠組みが確立し、企業の説明責任を支える基盤となっています。

そして、日本においても、SSBJ(日本版 ISSB 基準)の適用が進む中で、食品小売・流通、食肉、家禽、乳製品、飲食店など動物性原料を扱うセクターでは、サプライチェーン全体を通じたアニマルウェルフェアの影響評価や売上構成の把握・開示が「経営課題」として位置づけられつつあります。

Livelyの取組み

Livelyでは、これまで培ってきたサステナビリティ開示支援の実績をもとに、アニマルウェルフェアにも応用できる経営・開示支援体制を整えてきました。

本サービスでは、経営コンサルティングの知見に加え、科学的評価の専門性と国際基準の理解を統合し、日本企業に求められるアニマルウェルフェア対応を、戦略・ガバナンス・情報開示の領域で一貫して支援します。

具体的な支援プロセスは、以下の7つのステップで構成されており、企業が自社のアニマルウェルフェア方針を明確化し、実行可能な体制を築けるよう設計されています。

1. 目標設定
国際基準(WOAH、OECD, ISO、EU Farm to Fork等)や企業理念を踏まえ、アニマルウェルフェアに関する短期~中長期で実現を目指す目標を設定

2. 戦略策定・KPI設計
調達・生産・販売の各段階を対象に、リスク・機会を踏まえた戦略ロードマップとKPI体系を構築

3. リスク・機会の可視化・評価
サプライチェーンのリスク評価や投資・ブランドへの影響分析、改善シナリオの定量化を実施

4. ガバナンス設計
社内方針や委員会設置、取引先監査・認証プロセスの整備など、持続的な管理体制を構築

5. 情報開示戦略の策定
ISSB、SSBJ、CSRD、ESRS、GRI など、アニマルウェルフェアに関連する主要な国際開示基準を踏まえ、企業価値への影響(シングル・マテリアリティ)と社会・環境への影響(ダブル・マテリアリティ)を両立した信頼性・透明性の高い開示方針を設計

6. モニタリング・実行支援
改善進捗のモニタリング、データ収集支援、第三者レビューとの整合性確認を通じて、実効性を確保

7. 研修・ワークショップの実施
経営層・管理職・各事業部門の担当者向けに、国際動向・科学的知見・事例を交えた研修・対話型ワークショップを開催

専門家との連携体制

本サービスは、Lively合同会社が主体となり、以下の体制で実施いたします。

Lively合同会社
経営戦略、サステナビリティKPI設計、情報開示、ESG評価改善の観点から、アニマルウェルフェアに関する統合的経営支援を担う

東京農工大学大学院農学研究院・新村毅教授
アニマルウェルフェア科学・動物行動学の専門家として、Livelyが実施するレビューや比較検証に対して、学術的観点から第三者レビューとアドバイザリーを提供

一般社団法人アニマルウェルフェア・コーポレート・パートナーズ・ジャパン(AWCP)
アニマルウェルフェア専門の非営利団体として、国際基準・政策動向・国内外の事例に基づく専門知見の共有を行い、本事業に関連する意見交換に協力

東京農工大学 新村毅教授からのコメント

アニマルウェルフェアは科学である一方で、アニマルウェルフェアだけ、科学だけでは解決しずらい課題が山積みです。私は、科学者の立場から、国内外の情報やリアルを含めて客観的な情報提供に努めつつも、皆さんとの議論を基に、より良い方向性を見出していくサポートができればと思っています。

新村毅教授の主なご経歴(東京農工大学研究者データベース)

AWCP 上原(カバリア)まほ様からのコメント

アニマルウェルフェア、とりわけ採卵鶏のケージフリー化は、単なる倫理的な流行ではなく、不可逆的なグローバルスタンダードです。企業にとって、その実践はESG経営やブランド価値の向上に直結する事業戦略であり、逆に対応の遅れは、将来的な市場喪失や重大な投資リスクになり得ます。アニマルウェルフェアは今や、従来の経済合理性を超えた「必須の非財務価値」となりました。私たちAWCPは非営利団体として海外の最新動向や先進事例の提供を通じて、方針策定の草案作りから公表に至るまで、変革を目指す日本企業に伴走し、共に解決策を創出していきます。

一般社団法人 アニマルウェルフェア・コーポレート・パートナーズ・ジャパン(AWCP) (公式サイト)

Livelyからのコメント

種田・三浦
(左)Founder & CEO 種田毅、(右)Co-Founder & Co-CEO 三浦友見

アニマルウェルフェアに関する制度や基準、社会からの要請は国際的に明確化しており、企業にとってサプライチェーン管理や開示、リスク・機会評価の面で対応が求められる領域になっています。

Livelyは、創業当初から東京農工大学・新村毅教授やAWCPさまと連携し、科学的評価・企業実務・国際基準にまたがる知見を蓄積してきました。欧州で確立された「企業・アカデミア・非営利の協働モデル」を参照しながらも、日本企業に適したアニマルウェルフェア推進の基盤づくりを進めてきました。

本サービスでは、アニマルウェルフェアを環境や生産性に対するリスク評価だけでなく、企業の優位性の確保、消費者の関心、倫理的な配慮などの社会的観点から、包括的で持続可能な企業経営に取り組むための伴走支援をいたします。ご相談がございましたら、お気軽にお問合せください。

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